なぜ引退競走馬が洗い場で暴れる? その理由と安全な手入れ・馬装の全対処法

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目次

もう限界!「また洗い場で暴れた…私、何か悪いことしたかな?」

今日はおとなしくしてくれるかな…

みなさんは馬を洗い場に連れて行くたびに、ドキドキしたりしてませんか?

ホースを出した瞬間にバーン!と体を振られたり。

ブラシをあてただけで後退りされたり。

腹帯を締めようとしたら、もう大騒ぎ!

「え、何?何がいけないの?」 「この子、私のことが嫌いなの?」 「もしかして私、向いてない?」

…そんな気持ちになったこと、ありませんか?

あります。めちゃくちゃあります。僕も同じでした。

というより現在進行形と表現した方が正しいかもしれないです。

乗馬19年、インストラクターとしてたくさんの馬と向き合ってきた僕でも、引退競走馬を担当するときは、今でもドキドキすることがあります(笑)

でもね、わかってほしいんです。

それ、あなたのせいじゃないです。100%。

引退競走馬の洗い場での問題行動には、ちゃんとした理由があって、ちゃんとした対処法があります。今日はそれを全部お伝えしますね!


問題の本質:競走馬は「乗馬クラブの常識」を知らずに生きてきた

まずここを知ってほしいんです。

引退競走馬って、「問題のある馬」じゃないんです。

ただただ、これまで生きてきた世界が、乗馬クラブとは全然違うんです。

競馬の世界の洗い場は、広くて、常に人がバタバタしてて、大きな音も当たり前。

手入れはスピード命。

複数の人が手分けしてテキパキ仕上げる世界です。

一方、乗馬クラブの洗い場は?静かで、狭くて、1人でゆっくり丁寧に。

道具も、雰囲気も、人も、何もかもが違う。

そりゃ戸惑いますよね!

「なんでこんな狭いとこに連れてこられるの?」 「この水、どこからくるの?」 「さっきと全然違う触り方してくるし…!」

って馬も思ってるはずです(笑)。

「悪い馬」じゃなくて「慣れていない馬」。この視点の切り替えが、すべての出発点です。

馬とのコミュニケーションの取り方が手に取るように理解できます!🐎

イラストでわかるホースコミュニケーションを読んでの解釈|馬が変わる10の実践ポイント【初心者必読】 | 馬と向き合って19年


原因① 洗い場の「場所そのもの」が怖い

競走馬って、新しい環境への警戒心がめちゃくちゃ強いんです。

これは野生動物としての本能で、「見たことないもの=危険かも」というアンテナが常に全開なんです。

乗馬クラブの洗い場は、競馬場の洗い場とは匂いも、音も、広さも、全部違う。

引退したばかりの馬にとっては、知らない星に降り立ったくらいの感覚もしれません。

私自身も転厩してきた元競走馬を初めて洗い場に連れて行ったとき、馬が入口のところで完全に固まって、びた一文動かなかったことがあります(笑)。

あれは焦りました。

今日からできる対策

  • 最初の数日は洗い場に「連れて行くだけ」でOK!何もしなくていい!
  • ただそこに立って、馬が「ここ、別に怖くないな」と気づくのを待つ
  • 落ち着いたらたっぷり褒めて、「ここ=いいことがある場所」と覚えてもらう


原因② ブラッシングや水の「感触」が違いすぎる

これ、意外と見落とされがちなんですが、すごく大事なポイントです。

競馬の世界では、手入れは手早く・しっかりめに。

強めのブラシでサッとやるのが当たり前だったりします。

でも、乗馬クラブでよくやる「優しくゆっくり」という触れ方、実は引退競走馬にとっては**「なんかくすぐったい?気持ち悪い?」という刺激**になることがあるんです。

逆に、競走馬に慣れてない人が「怖いから触りたくない」って感じで中途半端に触ると、馬は余計に不安になります。

あと、水!

ホースから出る水の温度・勢いにびっくりする子、すごく多いです。

競馬場でお湯を使ってた子が、初めて冷水をかけられたら…そりゃ嫌ですよね(笑)。

「この馬が心地よい触れ方」は、馬に聞きながら一緒に探していくもの。正解は馬が知ってます!

今日からできる対策

  • ブラシは首・肩など「鈍感な部位」から始める
  • 強さ・スピードを変えながら「この子が好きな触れ方」を探る
  • 顔・お腹・脚は後回し!馬が落ち着いてから
  • ホースは馬に見せて慣れさせてから、前脚の下あたりに少量ずつかける
  • 温水が使えるなら絶対使う!


原因③ 「誰この人?何するの?」という警戒心

競走馬って、基本的に担当の厩務員さんや調教師さんなど、決まった人にしか扱われないんです。

乗馬クラブみたいに、インストラクターも会員さんもスタッフも、いろんな人が代わる代わる関わる…なんて環境、経験したことないんです。

だから「知らない人が触ってくる!」という状況がめちゃくちゃストレスになる子も多い。

馬装もそうです。

競馬の世界では馬装も流れ作業でサッと進めることが多いから、乗馬クラブのペースや道具の違いにびっくりする馬、結構います。

腹帯をゆっくり締めようとしたら、かえって「なんで時間かかってるの?何?何?」ってパニックになる子もいますし、逆に急いで締めたら反射的に蹴ってくる子もいる(経験済みです…笑)。

まず「この人は安全だ」と思ってもらうこと。それが何より大事。焦らないで!

今日からできる対策

  • 最初は担当者を1〜2人に絞って、同じ人が毎日関わる
  • 毎回同じ声かけ・同じ順番で作業する(ルーティンが馬を落ち着かせる!
  • 腹帯は3〜4回に分けてちょっとずつ締める
  • 馬装前に「今から始めるよ〜」と声をかけてあげる

解決方法:洗い場作業の安全な進め方【4ステップ】

ここで全体の流れを整理しますね。

ステップ1:洗い場への導入

  1. 馬が落ち着いているか確認してから連れて行く
  2. 洗い場についたら、すぐ作業しない!まず「立つ」練習から
  3. 落ち着いたらご褒美&たっぷり褒める

ステップ2:ブラッシング

  1. 首→肩→背中→臀部の順で安全な部位から始める
  2. 脚・お腹・顔は後から、馬の表情を見ながら
  3. 耳を伏せる・尾を振る・体をよじるなど嫌がるサインが出たら一度止める

ステップ3:水洗い

  1. まずホースを見せて「これ怖くないよ」と知ってもらう
  2. 水は前脚の下あたりから少しずつ
  3. 顔・耳にはいきなり絶対かけない!
  4. 温水使えるなら積極的に使う

ステップ4:馬装

  1. 鞍やゼッケンは馬に見せてから乗せる
  2. 腹帯は少しずつ、焦らず締める
  3. ブリドルは耳を折り曲げず、馬のペースに合わせてゆっくり


今日からすぐできる!5つのアクション

洗い場に「慣れる時間」を別で設ける(作業ゼロでも立つだけでOK!)

毎回同じ声かけ・同じ手順で作業する(ルーティンは馬の安心剤)

嫌がったらすぐ止めて、落ち着いたら再開(「嫌な場所」と記憶させないために)

少しでもうまくできたら全力で褒める(声のトーン・ご褒美で「ここは安全」と覚えてもらう)

「今日で完成させる」を手放す(引退競走馬の再調教は週・月単位!それが普通です)

馬の扱いの基本が具体的に理解できます!合わせてどうぞ!

『馬のきもち』を読んだら乗馬が別競技になった話|インストラクターが本気で推す“馬目線”の教科書 | 馬と向き合って19年

僕の実体験

僕は基本怖がりです(笑)

なので、特に入厩(クラブに引っ越し)したての時はまずはどんな馬なのかを「知る」ことから始めます。

馬からしたら、急に知らない場所に来て、知らない人に触れられる。

めっちゃストレスを感じて当然なんですよね😢

なので、まずは馬との「信頼関係」を築くことが大切です。

場所に慣れて、人に慣れる。

まずはこれが大切です。

初対面の人に色々聞かれて、ベタベタ触られたりしたらみなさんも嫌ですよね?

馬は繊細な動物なので、馬が「どう感じているか?」という目線は常に持っておくべきです。

そうやって接していくうちに馬も「この人は大丈夫かな」と感じてくれるようになります。

もちろん、個体差はありますが、人が愛情を持って接していると必ず心を開いてくれます。

辛抱強く、馬と向き合いましょう!


まとめ:洗い場での丁寧な関わりが、信頼関係の第一歩になる

引退競走馬は、悪い馬でも危ない馬でもありません。

ただ、これまでの「当たり前」が違うだけ。

洗い場での小さな成功体験を積み重ねることが、馬との信頼関係を育てて、乗馬での落ち着きにもつながっていきます。

私自身、最初は洗い場でボロボロにされた日もありました(今となっては笑い話ですが…笑)。

でも時間をかけてお互いを理解し合った馬との関係は、本当に特別なものがあります。

「急がば回れ」。これが引退競走馬と向き合う一番の近道です。

焦らず、時間をかけて馬との信頼関係を築いていきましょう!

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