目次
「なぜか点が伸びない」には必ず理由がある
馬場馬術を続けていると、誰もが一度はこう感じます。
- 「感覚的には悪くなかったのに点数が低い」
- 「練習ではできているのに、競技になると評価されない」
- 「何を直せば点が上がるのか分からない」
これは僕も感じていたことです。
何度競技に出場しても点数が向上しないし、上手くなっている実感がわかない。。。
もう競技辞めようかな と思うこともありました。
でも、これはあなたの技術が足りないからではありません。
多くの場合、馬場馬術競技の“評価の基準”を知らないだけです。
馬場馬術は、
「うまく見えるか」
「派手に動いているか」
を競う競技ではありません。
審判が何を見て、どう評価しているか
ここを理解した瞬間から、乗り方も練習内容も大きく変わります。
私は乗馬クラブでインストラクターとして勤務し、
日々のレッスンから競技帯同まで多くの現場を見てきました。
この記事では、
- 馬場馬術競技の本質
- 採点基準の仕組み
- 審判が本当に見ているポイント
- 高評価につながる考え方と練習の方向性
を、競技未経験〜初級者にも分かる言葉で解説します。

馬場馬術競技とは何を競う競技なのか
馬場馬術は「調和」を点数化する競技
馬場馬術競技の最大の特徴は、
人と馬の関係性そのものが評価対象になることです。
- 馬がリラックスしているか
- 騎手の指示が分かりやすいか
- 馬が自発的に動いているか
つまり、
無理やり動かしている演技は必ず見抜かれます。
これは初心者ほど意外に感じるポイントですが、
「頑張って動かしている」=「高評価」ではありません。
むしろ、人はなにもしていないけど馬が勝手に楽しそうに動いているように見えたら、それが高評価につながります。
馬場馬術は「基礎の積み重ね」を見る競技
どんな課目でも、評価の土台は同じです。
- リズム
- 柔軟性
- コンタクト
- 推進力
- バランス
- 収縮
これらが揃っていない状態で、
難しい運動をしても点数は伸びません。
どんなスポーツや芸事でも基礎をおろそかにしていると、絶対うまくいきません。
例えば、サッカーでも試合に出ようとすれば、ボールを蹴ってきたボールを止めるという動きができないといけません。
その基礎的なボールコントロールができるという前提がないと、試合にはっでられません。
乗馬も同様に、馬を動かす・止める・曲がる などの運動ができないと経路を回ることは不可能です。
👉 基礎ができているかどうかが、すべての前提
馬場馬術の採点方法の基本
1運動=10点満点の積み重ね
馬場馬術競技では、
課目表に書かれた運動一つひとつに対して
0〜10点で評価がつきます。
多くの人が「大きなミス」を恐れますが、
実際の減点はもっと地味です。
- 少し曲がっている
- リズムが微妙に乱れている
- 反応がワンテンポ遅れる
- 地点通りに回れていない
- バランスが悪い
こうした小さな減点の積み重ねが、
最終的な点数差になります。
「5点」は失敗ではない
初心者が誤解しやすいのが点数の感覚です。
- 5点=「可」
- 6点=「満足」
- 7点以上で「良好〜優秀」
5点は「ダメ」ではありません。
基準を満たしているが改善の余地ありという意味です。
初出場で5点が並ぶのは、ごく普通です。
審判が最も重視している4つの評価軸
① リズム|すべての土台
リズムとは、
- 歩様が一定か
- 速さが変わっていないか
- 無理に作っていないか
という点を見ています。
リズムが崩れると、
- 輪乗り
- 移行
- 側方運動
すべてが低評価になります。
リズムが良くて、活発な演技を審判は評価する傾向にあります。
リズムが安定していると、馬の頭の位置が動かなくなります。
馬は手綱を強く引っ張られたりすると、頭を振って抵抗します。
頭の位置が動かないのは、リズムよく動けていて馬が抵抗感なく運動できているというアピールになります。
結果的に審判に高評価を印象付けることにつながります。
👉 「まずはリズム」これが最優先
② 柔軟性(サプルネス)とリラックス
馬が緊張していると、
- 背中が使えない
- 歩様が硬くなる
- 反応が鈍くなる
審判は、
「馬が楽に動いているか」を非常によく見ています。
力んでいる演技は、
どんなに動きが大きくても評価されません。
アリーナに入場すると、大体の馬は緊張して硬くなりがちです。
普段からリラックスして運動できる調教ができていると、アリーナに入っての緊張もずいぶんましになります。
ふだんからリラックスして運動できるように心がけましょう🐎
③ コンタクト(ハミ受け)
ハミとの関係は、
馬場馬術の評価で最重要ポイントの一つです。
- 引っ張り合いになっていないか
- 一定の接触が保たれているか
- 馬が逃げていないか
ハミ抵抗が出ると、
ほぼすべての運動に減点が入ります。
上記のリズム、リラックスということができて初めてコンタクトがとれるようになります。
リズムよく動けてリラックスできていれば、自然にハミ受けができるようになります。
ただ力で馬を抑え込んで丸めるのではなく、馬が自らハミを求めていくようになればそれが一番良いです。
④ 推進力とバランス
前肢だけで走っている馬は、評価されません。
- 後肢が体の下に入っているか
- 自分から前に出ようとしているか
推進力がある馬は、自然とバランスが良くなり、点数も安定します。
後肢をいかに動かすことができるかが馬場馬術の重要な要素です。
基本的に馬は前バランスな馬が多いです。
後肢が動くことでバランスが良くなり、前肢の負担が減ります。
合わせて読むと理解が深まります!
現役インストラクターが語る「準備から本番後までのリアルな流れ」 | 馬と向き合って18年
「うまく見えるのに点が出ない」理由
これは競技者から最も多く聞く疑問です。
原因はほぼ共通しています。
- 直線が曲がっている
- 円が歪んでいる
- 移行が雑
見た目の迫力より、
正確さと安定感が評価されるのが馬場馬術です。
基礎的なことができていないと、細かなミスが必ず出てしまいます。
地味で目立たないが、ミスなく正確な動きができる。
これが高得点を得る最重要ポイントです。
高評価を得るために必要な考え方
「課目を通す」より「減点を減らす」
初級課目では特に、
- 完璧な演技
- 大きな動き
よりも、
👉 ミスをしないこと
👉 崩れないこと
の方が点数につながります。
基本に忠実に正確な動きをミスなくやりきると、自然と点数が伸びます。
逆にそれをおろそかにすると、一定の点数まではいけても、それ以上伸びなくなる時が必ず訪れます。
扶助は「少なく、はっきり」
脚を常に使っている状態は、
「反応が悪い」と判断されます。
- 合図は一度
- 反応したらすぐ緩める
これだけで、
従順性の評価は大きく変わります。
オリンピックライダーの映像をyoutubeなどで見ると、ほぼほぼ脚をつかっていないんじゃないか?と思うことがあります。
実際にあのレベルの馬は、脚が少しでも強くなると走っていってしまう程反応が敏感です。
それだけ、普段の調教で正しい扶助を教えられているので、最小限の扶助で馬が動いてしまうのです。
馬にとって最小限で理解可能な扶助を送る調教をできれば、僕たちにもそういった乗り方も可能だと思います。

コレクティブマーク(総合評価)の正体
課目の最後につく総合評価は、
- 馬の質
- 従順性
- 騎手の扶助
をまとめて見た点数です。
ここは
「課目全体の印象点」。
リズムが安定している人ほど、ここが高くなります。
好印象を残せるように、人の動きは最小限にしてリズム良く正確に経路を回りましょう!🐎
合わせて読みたい🐎
現役馬場馬術選手が語る本音:競技会で9割がハマる失敗10選 | 馬と向き合って18年
初心者が最初に意識すべき優先順位
全部やろうとすると、全部崩れます。
最初はこの順番で十分です。
- リズム
- まっすぐ
- 移行の丁寧さ
- 馬の落ち着き
これが揃えば、
60%前後は十分に狙えます。
まずは、出来ることを確実に実行する!という気持ちで乗りましょう。
それができれば、次のフェーズに移行することができます。
練習で「競技につながる人」と「つながらない人」の違い
競技で伸びる人は、
- 毎回の練習で「基準」を意識している
- できた/できないを言語化している
- 感覚だけで終わらせない
一方で伸び悩む人は、
- なんとなく乗る
- うまくいった感覚だけを頼りにする
経路の構成上、輪乗りや直線で歩度を伸ばすや詰めるなどの基本的な運動を繋げるようにできています。
つまり普段の練習が正確にできていれば、それをうまく繋げることができれば自然に点数を伸ばすことは可能なんです。
👉 競技会は、日常練習の延長線上
審判コメントの正しい受け取り方
審判コメントは、
- ダメ出し
- 否定
ではありません。
次に何を直せばいいかのヒントです。
感情と切り離して読むことで、
練習の方向性が明確になります。
うまくできなかった項目のコメントをしっかり読み込むことで、改善練習の方法が具体的になります。
つまり、努力する方向性が明確になります。
ジャッジペーパーを正確に読み込むことで、遠回りを防ぐことができます!
馬場馬術競技は「知っている人」から楽しくなる
馬場馬術は、
- 才能
- 特別な馬
だけで決まる競技ではありません。
- 基本の理解
- 採点基準の把握
- 正しい優先順位
これを知っている人ほど、安定して評価されます。
つまり、努力次第で勝負できる要素が沢山あるということの裏返しでもあります。

まとめ|馬場馬術競技は「理解」が結果を変える
馬場馬術競技は、難しい競技ではありません。
あなたと馬が、
- どこまで通じ合えているか
- どこを伸ばせばいいか
を、客観的に教えてくれる場所です。
採点基準を知ることで、
- 練習の質が変わり
- 競技会への不安が減り
- 結果がついてくる
もし、競技会で上手く結果が出せない人はこの記事の戻ってきてください。
きっと、我に返るきっかけになると思います。
ぜひ、競技会という舞台で馬場馬術の本当の面白さを体験してください。
いつも応援しています!!
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