FACTFULNESS(ファクトフルネス)|10の思い込みを外して世界を正しく見る力

「世界はどんどん悪くなっている」と思ったことはありませんか?戦争、環境破壊、格差社会…。ニュースを見れば見るほど、不安ばかりが募っていく。私自身もそうでした。

毎日のように流れる暗いニュースを目にしては「このままでは子どもたちの未来は大丈夫だろうか」と心配になり、気持ちが沈むこともありました。そんな時に出会ったのが、ハンス・ロスリング著『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』。

この本を読むと、いかに自分が「思い込み」や「ネガティブな報道」に振り回されていたのかに気づかされます。実際には、世界は少しずつ、しかし着実に良くなっているのです。

本記事では、この本の内容を要約しつつ、私自身の体験を交えて「世界を正しく見る力」の大切さをお伝えします。

目次

本の簡単な紹介

『FACTFULNESS』はスウェーデンの医師・公衆衛生学者である ハンス・ロスリング と、その家族によって書かれた一冊です。

世界各国の統計データをもとに、私たちが持つ「誤った世界観」を一つずつ修正してくれるのが本書の最大の特徴。本の中心には「10の思い込み(=本能)」があります:

  • 分断本能(世界は「豊かな国」と「貧しい国」に分かれていると思い込む)
  • ネガティブ本能(悪いニュースばかりに引っ張られる)
  • 直線本能(人口は無限に直線的に増え続けると思う)
  • 恐怖本能(怖い話に過剰反応する)
  • 規模本能(一部を全体のように考える)
  • パターン化本能(例外を無視して単純化してしまう)
  • 宿命本能(「国民性」や「宗教」などで未来は決まっていると思い込む)
  • 単純化本能(複雑な問題を単純化しすぎる)
  • 犯人捜し本能(問題を誰かのせいにして終わらせる)
  • 焦り本能(今すぐ行動しなければダメだと焦る)

これらを理解すると「人間の思考のクセ」を自覚でき、世界をより冷静に見られるようになります。

要点5個

1. 世界は悪化していない、むしろ改善している

極度の貧困にある人の割合は1980年代の約40%から、現在は10%以下へと劇的に減少しました。教育や医療も格段に改善し、平均寿命は世界的に延びています。悪いニュースばかりに注目するのではなく、実際の進歩にも目を向ける必要があります。

2. ネガティブ本能に注意

メディアは事件・災害・戦争などショッキングな情報を優先的に報じます。そのため、現実以上に悲観的な世界観を持ってしまいがちです。「悪いニュースが多い=世界が悪化している」わけではない、と理解することが大切です。

3. 「直感」より「データ」を信じる

私たちは「印象」や「体験談」に大きく影響されます。重要なのは事実。統計を確認することで、感情に流されず正確に判断できるようになります。

4. 「本能」に名前をつけると冷静になれる

「今、自分はネガティブ本能にとらわれているな」と気づけるだけで、思考は大きく変わります。名前をつけることで、自分の思い込みを客観的に観察できるようになるのです。

5. 正しい認識は未来への希望につながる

「世界は改善している」と理解できると、不安がやわらぎます。不安を抱えながら行動するよりも、「希望」を持って挑戦するほうがエネルギーは持続します。

実践できること

1. ニュースを「全体の一部」として見る

「戦争」「災害」などのニュースはインパクトが強いですが、それが「世界全体の姿」ではありません。「これは全体の一部にすぎない」と意識するだけで、気持ちが安定します。

2. 信頼できるデータを確認する

国連やWHO、世界銀行などの公式統計をチェックする習慣を持ちましょう。SNSや感情的な報道に頼らないことが重要です。

3. 子どもや周囲に「希望の事実」を伝える

私自身、子どもに「今の世界は昔より教育も医療も良くなっているんだよ」と話すようになりました。親が不安ばかり語れば、子どもも不安になります。事実に基づいた希望を共有することが大切です。

4. 「思い込みフィルター」を意識する

「直線本能が働いてないか?」「ネガティブ本能に流されてないか?」と自分に問いかける癖をつける。これだけで冷静さが戻ります。

5. ビジネスや仕事に応用する

市場分析や顧客理解も、感覚ではなくデータに基づくことが重要。「ファクトフルネス思考」はビジネスの意思決定にも役立ちます。

体験談:私がファクトフルネスで救われたこと

ここで少し、私の体験を。私は以前、毎日のようにスマホでニュースをチェックしていました。そのたびに「戦争」「地球温暖化」「不景気」など暗い情報ばかり目に入り、気づけば気分が落ち込んでいたのです。

「このままでは未来は真っ暗なんじゃないか…」そんな風に思うことさえありました。しかし『FACTFULNESS』を読んで衝撃を受けました。データで見れば、世界は確実に前進している。貧困は減り、寿命は延び、教育も広がっている。

その事実を知ったとき、心に明かりが灯るような感覚がありました。以来、私は「悪いニュースを見ても全体像を確認する」習慣を持つようになり、不安に押しつぶされることが減りました。

特に子どもに「昔より世界はずっと良くなっているんだよ」と話せるようになったことは、自分にとって大きな変化です。希望を持って子どもと未来の話ができるようになったのは、『FACTFULNESS』のおかげです。

まとめ

『FACTFULNESS』は、私たちの「思い込み」を取り払い、世界を正しく見るための地図のような存在です。本能に振り回されると、現実以上に悲観的に物事を見てしまいます。しかし、データをもとに考えれば、世界は着実に良くなっているとわかるのです。

「正しく見ること」は、不安を和らげ、希望を生み、前向きな行動につながります。不安に疲れた方、未来に光を見たい方に、ぜひ読んでいただきたい本です。

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